Spiga

Foxes In Fiction / Swung From The Branches

カナダ、トロント発の新星Foxes In Fiction!バンドではなく、Warren HildebrandというDeerhunterのBradford Cox大好きっ子のソロプロジェクトであるFoxes In Fiction。彼の1stアルバムである「Swung From the Branches」がもの凄く良いので紹介します。

まず始めにこのアルバム、19曲入りという大作なのですが、彼のホームページからフリーダウンロードできちゃうので、ココからダウンロードページに跳んでダウンロードしてみてください!

さて、冒頭に述べたように、このFoxes In Fiction、DeerhunterのフロントマンであるBradford Coxを敬愛しているらしく、この「Swung From the Branches」にも大きく影響を受けているのが見て取ることが出来ます。特にBradford CoxのソロプロジェクトであるAtlas Soundの作品である「Let the Blind Lead Those Who Can See but Cannot Feel」に大きく感化されているようです。そのためアルバムの冒頭からアンビエントな展開が続き、何処までもシンプルな (ベッドルームポップと言うべき) 録音方法でとられています。前半はアンビエントインストな曲が続き、後半からポップな曲が並ぶこの曲順は少しディアハンターの「Cryptograms」を意識しているのかも・・・!そしてボーカルもかなりBradford Coxの声を彷彿させます(笑)

ここまで似てる似てると言うと、ただのブラッド好きが作った劣化版Atlas Soundじゃん、と思ってしまう方もいるかもしれないのですが、全然劣化版とかじゃなくて素で良いのでオススメなんです。アルバム一ポップな「15 Ativan (Song for Erika)」や、アンビエントな演奏にスポークンワードが乗っかった「8 / 29 / 91」など、彼ならではの才能あふれる曲が沢山入っています。聴いてる人を夢見心地にさせてくれる、そんな素晴らしいアルバムです。とても贅沢なアルバムなので是非ダウンロードしてみて、聴いてみましょう!

Foxes in Fiction - 15 Ativan (Song for Erika) by Surfing on Steam


Memoryhouse、Teen Daze他、期待の新人@Arcade Sound Ltd.

皆さん、Arcade Sound Ltd.というレーベルをご存知でしょうか?恐らくアメリカ本土でもほとんど知られていないレーベルなのですが、このレーベルが今、もの凄くアツいバンドを生み出しているので紹介します。

まず左の写真にあるのがMemoryhouseというバンドです。このバンド、Galaxie500のようなサウンドを今風のChillwaveっぽくしたような音に、綺麗な女性ボーカルが乗っかるという感じで、もの凄く中毒性の高い音楽を作り出しています。そんな楽曲が収録された1st EP『The Years』が、このArcade Sound Ltd.のホームページから無料ダウンロードできるのです。とりあえずはココからMemoryhouseのEPをダウンロードしてみましょう。このMemoryhouseが気になった方は、他のアーティストの楽曲もダウンロードしてみるとイイと思います。どれもかなりの良い作品で、思わず「これが無料!?」と言いたくなる程。基本的にChillwave系統のジャンルが多く、かなりローファイなバンドが多いです。一応フリーダウンロードできる5つのアーティスト全て聴いてみたのですが、どれもオススメですよ(笑)

そしてArcade Sound Ltd.の中で個人的に、特にオススメなのが、Teen Dazeというバンドです。とりあえず聴いてみてください。

Teen Daze - Shine On, You Crazy White Cap from zeeeeej on Vimeo.

もうすぐ1stアルバム「Four More Years」がArcade Sound Ltd.から発売されるとのことで楽しみですね。

アメリカのインディーシーンは深い所まで掘り下げれば掘り下げる程、新たな発見があってとても面白いです。今後も面白いレーベルを見つけたら紹介していこうと思います。

Arcade Sound Ltd.ホームページ

Teen Daze、MySpace


Perfume Genius、日本限定無料ダウンロード!

今年一番かもしれない感動的作品「Learning」をリリースしたPerfume GeniusことMike Hadreas。この、まだ世間でほとんど名も知られていないアーティストが1stアルバム「Learning」において、NMEで9点、Pitchfork Mediaで8.2点等、高得点を連発。Girlsと同じマネージャーがついてるということからも、今のインディーシーンでかなり重要な存在となっています。

自宅でMikeの母親のベッドルームで超ローファイな方法で録音されたという「Learning」。なるほど、時折見せる初期スパークルホースのような感じは、このような録音方法から伺えるのでしょう。

そしてなんと、このPerfume Geniusの楽曲が日本限定で日本の公式サイトから期間限定ダウンロードできます!しかも日本のみでの配信となる、「Dreeem」(7/19〜8/1)や「Lake Vue Gardens」(8/2〜8/15)といったレアトラックが無料でゲットできるので是非トライしてみましょう!リンク先はコチラです。


Perfume Genius / Mr Petersen


Perfume Genius / No Problem


Best Coast / Crazy For You

夏真っ盛り!ということで夏にピッタリな西海岸バンド、Best Coastが遂に1stアルバムをリリースします。メンバーはLAを活動拠点としているBethany Cosentinoという女の子と、Bobb Brunoという変なおっさんのデュオであり、2009年からリリースし続けているシングルがソールドアウトを連発していて、Sonic Youthのサーストン・ムーアや、あのビル・マーレイまでもがファンと公言している、もう既にアメリカ(や恐らく日本でも)で人気を確立している将来有望なインディーバンドなのです。

そんな彼女達が遂に待望の1stアルバムをリリースするということで胸を躍らせながら聴いていました。個人的にはシングルからの選曲が「When I'm With You」しか入っていないため、ちょっと不安でした。なぜならシングル曲の楽曲センスが圧倒的であり、アルバム全体を通して聴くと、やはり捨て曲というものがどうしても生まれてしまうんじゃないかと。しかしやっぱり今の彼女達はセンスに溢れています。個人的に、彼女達の楽曲の感じ(ミドルテンポかつ60年代ガールズポップが混ざったようなノイズポップ)にツボってしまっているというのが大きな要因な気もしますが、やはり名曲づくしなアルバムです。おそらくシングルの時からファンである方々とっては、少し物足りなさも感じているでしょう。しかしそんな人たちはこんな僕のレビューなども必要ないでしょうし、とりあえず今からBest Coastを聴き始める人にとってみれば、もう本当にオススメな作品です。そのうちコンピも出るでしょう。多分今は亡きJay Reatardのようなリリースの仕方を展開していくのでは、と睨んでいます。

アルバムはココから全曲試聴できるみたいです。是非聴いてみてください。

この曲はアルバムには収録されてないけど、とても良い曲なので是非。
Best Coast / That's The Way Boys Are

すぐ終わっちゃうけど、映像がとても可愛らしいです。

ちなみにボーカルのBethanyさんはWavvesと付き合っているみたい。なるほど、という感じですねー(笑)

The Apples In Stereo (Elephant 6's Great Band)

90年代、最も人々に愛され、伝説となったインディーレーベル、Elephant 6。そんなElephant 6の創始者の一人でもあり、数々のElephant 6のバンドのプロデュースを担当した、Robert Schneider率いるバンド「The Apples In Stereo」、肩書きは素晴らしいが2年前くらいに始めて聴いたときは正直あまりピンとこなかったバンドだった。しかし最近聴きなおしてみるとElephant 6特有の「絶妙な可愛らしさ」みたいなのが所々入っており、まさにElephant 6シーン(これはジャンルにまでなった!)の模範となるバンドであることに(今更ながら)気づきハマっています。

そもそもElephant 6は、1980年代後半に当時大学生だった、Robert Shneider、Bill Doss、Will Cullen Hart、そしてJeff Mangumが、それぞれが宅録でとった音源をコピーし合って交換し、共有し始めた所から始まる。そういった名残から1991年、Robert ShneiderがApples In Stereoとしての1stシングルを出すために、Will Cullen Hartに「Elephant 6のロゴ」を書いてくれるよう頼み左のロゴが完成。その後1993年6月、彼らのEPである『Tidal Wave EP』を500枚プレスし、発売。これがエレファント6レーベル会社でリリースした始めてのレコードとなった。これがエレファント6の始まりである。

そして残りの3人であるが、彼らは当時Synthetic Flying Machineというバンドを組んでいた。さあ、このバンドはエレファント史上最も有名な前身バンドであり、後にThe Olivia Tremor Controlとなる。そして1994年に彼らの1st EPであるCalifornia Demiseをリリースし、これがエレファント6の2ndリリースとなった。その後Jeff Mangumが脱退しNeutral Milk Hotelを結成したという訳である。

エレファント6において特徴的なサウンドはビーチボーイズリヴァイヴァルとも言われる、そのコーラスワークとサイケデリックでポップでキャッチーなサウンドである。彼らのサウンドはNeo-Psychedeliaというジャンルを生み出し、人によってはその音をElephant 6とそのまま呼ぶ人もいる。その中で今回注目しているThe Apples In Stereoは、そのElephant 6を作ったバンドでもあり、このジャンルを聴いていくには最も取っ付きやすいバンドなのである。とりあえず聴いてみて。

The Apples In Stereo / Tidal Wave

とにかく映像からして可愛らしいし、Robert Shneiderの若はげっぷりもまた可愛いじゃない(笑)エレファント6は個人的に最も大好きなレーベルで好きなアーティストも多いけど、その中でも、このThe Apples In Stereoの存在を忘れないでほしいと自分に言い聞かせています。今年、待望の新作も出したみたいなのでそちらも是非チェックするつもり。それでは最近エレファント6再ブーム到来しています、と告知した所で今日はおしまいにします。

Cut Copy新曲!"Where I'm Going"

きたるCut Copyの3rdアルバムに向けて新曲が彼らのオフィシャルウェブサイトからダウンロードできます。まだ彼らの"hypnotic"な新作の詳細についてはあまり明かされてないようですが、何でもあのAnimal Collectiveの『Merriweather Post Pavilion』でも知られているBen Allenさんがエンジニアを担当しているということで、これまた新作が待ち遠しいです。

ちなみにBen Allenさんですが、今年9月に発売予定であるDeerhunterの『Halcyon Digest』のエンジニアも担当するということで、今後のBen Allenさんの動向にも目が離せない状況です。とりあえず新曲がもう最高なので是非聴いてみてください!

Cut Copy / Where I'm Going







Land Of Plenty

面白かったので、映画のレビューでも書いてみる。ヴィム・ヴェンダース監督作の『ランド・オブ・プレンティ』である。ヴィムさんと言えばあの『パリ・テキサス』で有名だが、この映画も、パリテキサスのような、映し出される土地の臭い(今回はロサンゼルス)がする、とても美しいロードムービーである。

内容は、20歳になる少女ラナが伯父であるポールに会いに10年間滞在していたアフリカ・イスラエルから故郷アメリカに帰ってきて、ポールに会う目的である「母からの手紙」を渡すというだけの単純な話である。ただポールのイラク右翼に対する偏執狂っぷりに冒頭から「あれ、コメディ映画なのかな?」とまで思わされたり、本人達はクソ真面目に演技をしている所に、思わず笑ってしまったりするシーンが何回かある。そんなおかしな伯父のことを必死に理解して彼のことを知ろうとするラナの優しさに、ヴィムさんの映し出す人間観というものが出ていて素晴らしかった。

話自体は、明らかにおかしな伯父の行動や推理が、意外とつじつまがあっており、もしかしたら正しい気がしてくる瞬間もあって、多少スリルも感じたのだが、やはり最後は全てがシロで終わる。ラナが持っている「母からの手紙」が全てを結論づける。描かれている景色もとても綺麗なので、ロードムービーが好きな人は見ても損はしないでしょう。

Beachwood Sparks / Beachwood Sparks

2000年、当時のSub Popで絶大な人気を持っていたバンド、Beachwood Sparks。今回は90年代アメリカインディーシーンの重要な存在であるLilysやFurtherのメンバー達によって結成された、このBeachwood Sparksのサウンドにやられてしまったので紹介します。

彼らのセルフタイトルの1stアルバムのジャケットを見てみれば分かるだろうが、このポップ調なカラフルなジャケットから、90年代の伝説となったエレファント6界隈の音楽をイメージするだろう。やはり彼らが元Lilysのメンバーということもあって90年代のそこ界隈のジャンルとは何らかの形で関わっているみたい。それは、やはりこのアルバムが多彩なコーラスワークからなっているということ、きっとThe Olivia Tremor Controlが好きなら、絶対気に入るはずである。

また、このコーラスワークの土台に形成されているカントリー調の演奏が上手く絡み合って心地よい。60年代のカントリーロック、The ByrdsやThe Bandを想像するといいかもしれない。そして明らかにThe Beach Boysのような60年代西海岸のバンドの影響を隠せない。やはり彼らが西海岸の出身であるという事実が現れているのだろう。

そしてこのBeachwood Sparksはただの60年代カントリーロックリバイバルバンド、で終わらせない所が素敵な所である。どこまでも分かりやすいカントリーロックを追求している曲がほとんどを占めているアルバムなのだが、彼らがLilysに在籍していたという事実から、やはりこの宇宙を思わせる浮遊感、ドリーミーなサウンドはぬぐい去ることは出来ないのである。このバンドのことを何も知らない人に聴かせると、60年代のバンドと答える人は、かなりの数いるだろうが、何曲か聴いた後に「おや、やっぱり90年代のバンドだ。」と、そうなるはずである。60年代のバンドに影響を受けながらも、どこまでもリアルタイムにこだわった作品なのである。とてもオススメなので是非聴いてみてください。

Deerhunter、Panda Bearの新曲!


Deerhunterが今年9月にニューアルバム『Halcyon Digest』をリリースする。
前作『Microcastle』が大ヒットした彼らだが、今作はそれを超える内容になる予感。そんな期待を感じさせてくれる新曲がアップされていたので紹介します。

Deerhunter / Helicopter

素晴らしいの一言。今年一番の名曲かも。



そして、Animal CollectiveのPanda Bearも9月に発売される新作『Tomboy』から先立って新曲を2曲ドロップしました。

Panda Bear / Tomboy






Panda Bear / Slow Motion






前作に比べるとサイケ度が増してる感じである。パンダベアの新作にも期待したい所だ。


ディアハンター、パンダベア、2000年を代表する両アーティストがリスナーにどんな希望を与えてくれるのか。
もう9月まで待てないけど、今年1位2位を争う両者の新作に乞うご期待である。

2010年上半期ベストアルバム!

かなり長い期間ブログを放置していた。気がつけば2010年も半分を過ぎてしまった、、、ということで2010年上半期で良かったアルバムをベスト25でまとめてみた。

Best of 2010

25〜5位は上のリンクに記載してます。

4位、High Places / High Places vs. Mankind
サイケポップバンド、High Placesの2ndアルバム。
前作は浮遊感全快な不思議ポップなアルバムであったが、今作では音の骨格をしっかりと出したメリハリのある内容に仕上がっている。
彼女達特有の浮遊感は残して、リスナーにその浮遊感の形をしっかりと聴かせる今作は、前作以上に聴きやすく、とてもキャッチーなポップアルバムになっている。





3位、The Tallest Man On Earth / The Wild Hunt
スウェーデンのボブディランこと、Kristian Matssonのソロプロジェクト、The Tallest Man On Earthの2ndアルバム。
独特な声を持つ彼の歌声は、まさにボブディランを彷彿とさせる。今作は前作のような綺麗なアルペジオからなる曲に加え、ピアノの弾き語りも。前作以上に聴きごたえのあるアルバムだ。







2位、Beach House / Teen Dream
捨て曲なし!一曲目から最後までノンストップで名曲が続く、Beach Houseの3rdアルバム。
夕焼けのビーチに響く波のせせらぎのようなドリーミーなサウンドは、まさに10代の頃の夢のよう。
このくらいのハイクオリティなアルバムが下半期で出ますように。Arcade FireやDeerhunterあたりに期待したい所。






1位、Twin Sister / Color Your Life
New Yorkからのニューカマー、Twin Sister。このEPはまだ2枚目であり、オリジナルアルバムは0枚。つまりまだよくわからないバンドである。ただ何故このバンドが1位なのかというと、このEPの中毒性である。
音自体は薄いのだが、浮遊感のある声や音たちが絶妙に絡み合っており、何回聴いても飽きないのである。これを聴いてしまうと、本当に1stアルバムが楽しみでならない。そんな期待を込めての1位です。凄く良いのでオススメ。