Spiga

Best Album Of 2010 10位〜1位


10. Sufjan Stevens
The Age Of Adz
[Asthmatic Kitty]



スフィアン・スティーブンスは今現在活動しているシンガーソングライターとしては最も好きな人なんですけど、この作品に関しては個人的にはちょっとついていけなかった感がありました。聴けば聴く程、様々な要素が現れてきて新しい発見が毎回あるほど練り込まれた作品であるのですが、少々頭を使うというか、僕には難しかったですかね…。でもやっぱり凄い!待ち望んでいたかいがありました。先行トラック“I Walked”を聴いた瞬間に、新作のヤバい感がジワジワと伝わってきて、実際にその通りの素晴らしい作品。最後の曲“Impossible Soul”は25分超えという超大作であるにも関わらずに、一呼吸をさせないまま終わっていく。一つのドラマが一曲で完結してしまうほどの起承転結のしっかりした曲。もう圧巻でした。まあファンとしては、アメリカ50州シリーズを見たかった所ではあるのですが、これもこれで良いじゃない。少なくともスフィアンという人は、この作品で成長を止めることはありえないでしょうし、「The Age Of Adz」を通じて新たな作品への飛躍を期待せずにはいられない。結局彼はファンを常に楽しませてくれるエンタイテイナーであり続けるのでしょう。




9. Coma Cinema
Stone Alone
[Self Released]



まず始めにこのアルバムはフリーダウンロードできます。詳しくはこの記事を参照にして下さい。

コロンビアで活動中のMat CothranによるソロプロジェクトであるComa Cinema。この人かなり若いです。ちょろっと海外ブログのインタビューを見た感じだと、余り自分の音楽で食っていこうという意思がないみたい。あくまで趣味感覚だとか。ただ、そんなことを言いつつも自分の作る音楽に対する思いはもの凄く強い人で、意外に完璧主義者な所もあるみたいです。とは言いつつも、この「Stone Alone」はかなり荒削りな感じ。それも全て狙ってるのかな?とにかく、Coma Cinemaは海外インディーブログからの注目も凄くて、それ程に実力も兼ね備えています。来年には新作もリリース予定なのですが、恐らくこれもフリー配信されるのでは、と睨んでいます。大期待です。




8. Deerhunter
Halcyon Digest
[4AD]



Deerhunterの通算4枚目のアルバム。素晴らしいの一言です。個人的には前作「Microcastle」のヒットによりUSインディーの重要な存在として一目置かれるようになったおかげで、さらに自分たちのやりたいことに踏み込んだ印象がありました。元々フロントマンのBradford Coxさんは大の60年代ミュージック好きで、ソロ名義Atlas SoundではJohnny CashやCrystals等のリミックス音源をフリー配信するほどの60年代フリーカーなのですが、今作はそういった要素が満載。音は現代風なかなりストレンジな感じなのですが、曲調やコード進行は至ってシンプル。ここまでオールド・ミュージックを現代風に上手く昇華できてるバンドはなかなかいないでしょう。




7. Velvet Davenport
Warmy Girls
[Moon Glyph]



今年から、結構アンダーグラウンドの方まで紹介している海外ブログをいくつか購読し始めたんですけど、そこで見つけたバンド。ミネアポリス出身で現在は一時ベルリンに拠点を置いているという6人組ローファイ、サイケ・ポップバンド、Velvet Davenportです。この人達も60年代の雰囲気バリバリのバンドです。始めて思った印象はThe Kinksの「Someone Else By The Kinks」、そしてThe Velvet Undergroundの「Loaded」。そんなVelvet DavenportのフロントマンのフェイバリットはThe Beatles、Psychic TV、Bob Dylan等。とにかくこの人達が鳴らしているメロディーラインは多分2010年一番じゃないかというくらいキャッチーで一度聴いたら頭にこびりついて離れないほどです(ちなみにメロディーメイカー第2位はFree Energy!)。今は音源入手困難な状況なので、今はとりあえず名前だけを覚えていて欲しいです。いずれ日本でも爆発的に売れるのではないでしょうか。




6. The Tallest Man On Earth
The Wild Hunt
[Dead Oceans]



声が渋い!ギターが上手い!そしてめちゃくちゃ良い曲を書く素晴らしいシンガーソングライター。Kristian Matssonさんは“自分が名前負けしないくらい素晴らしいアーティストになるんだ!”という意志のもと、The Tallest Man On Earth(地球上で最も大きな男)という大それた名前を付け、その名前通りの素晴らしい実力を持ったアーティストに、この「The Wild Hunt」でなってしまいました。そもそも彼は1stアルバム「Shallow Grave」で一気にその名を轟かせましたが、一発屋で終わることなく、それどころか2ndアルバムで、それ以上の良曲を10曲書き上げてしまいました。意外に日本でブームになってないみたいで、地味に悲しいのですが、一度聴いたら病み付きになりますよ、ほんと。今のこの時代になって、ついにBob Dylanという偉大な人を忘れさせてくれるようなシンガーソングライターが現れてしまいました。是非聴いてない人は聴いて下さい。とても素晴らしいです。




5. Beach House
Teen Dream
[Sub Pop]




この人達はほんとノーコメントな気がします。捨て曲一曲もなし!全てが名曲!以上。











4. Big Troubles
Worry
[Olde English Spelling Bee]



僕が2010年最も愛した新人バンド、Big Troubles。あのReal EstateのギタリストDucktailsにその才能を見いだされ、Ducktailsのリリースでも知られるOlde English Spelling Beeから1stアルバム「Worry」をリリースしました。始めてネット上にあがった曲がBite Yr Tongueという曲なのですが、ほんと衝撃でしたね。めちゃくちゃファジーな音なのに声はリバーブかけてシューゲイザー風に歌い上げる。これは個人的にとても新鮮でドキドキせずにはいられませんでした。アルバムも予想通りの名曲ぞろいで“Freudian Slips”に関しては今年の最大のキラーチューンの一つ。1stアルバムで、まだ知名度もそこまでないアーティストがここまで凄い音楽をしているのに感動しました。音源入手困難ですが是非聴いて欲しいアルバムです。




3. No Age
Everything In Between
[Sub Pop]



No Ageって実はあんまし好きな方のバンドじゃなかったのに、この作品は衝撃の連続でした。前作の元気溢れるノイズ剥き出しの爆音サウンドに比べると、少し落ち着いた印象も受けるが、彼らが愛しているDCハードコアからの影響は健在でそのメロディーには常にパンクという文字が刻み続けられています。今作はギターのノイズだけではなく、新しくサンプリングノイズも大きくフューチャーしてバラエティにもとんでいます。こんなバンドしたいなーと思いました。

よろしければコチラもどうぞ。




2. Lower Dens
Twin-Handed Movement
[Gnomonsong]



Jana Hunterというフリーフォークアーティストをご存知でしょうか?2005年にDevendra BanhartとSplit EPを出していて、結構話題になった人なんですが、実際僕が作品を聴いたのは最近です。それで、今のところ2枚アルバム出してるのですが、それが両方とももの凄く良い。かなり好きになってしまいました。

さて、そんなJana Hunterさんが今年新しく組んだバンドが、このLower Densなんです。そもそもJanaさんのちょっとハスキーだけどか細い弱々しい声が好きなので、それだけで十分なのですが、それに加えて、ファジーでドリーミーなサウンドが加わります。かなりシンプルな編成で音も余り重ねてないけど、とにかく世界観が凄い。そして、Janaさんのソングライティングも天才級。是非聴いて下さい。Twin Sister好きは絶対ハマるはずでしょう!




1. Perfume Genius
Learning
[Matador]



実は結構ノリでポチッた人なんですけど、今年一番当たってしまいました(笑)。悲しい音楽なんだろうけど、何度も聴いてしまう(別に鬱な訳じゃないです)。母親のベッドルームでヒソヒソと作った作品らしく、何となくこの人の中に闇が見え隠れするのですが、そんなことも忘れさせるくらい、美しい声とピアノとストリングスによるハーモニー。この人は歌詞とか含めて解読しようとすればする程、魅力も増していく人なのでしょうが、ただ単に楽曲のセンスが凄い。何度聴いても飽きないです。今年圧倒的に一番聴いた気がする作品ですが、この1stが密かなブームを呼んだこともあるし、次作にも超期待しちゃいます。


以上でBest Album Of 2010は終了ですが、勿論2010年リリースじゃなくても素晴らしい作品に出会えたし、2010年リリースに関しては、他にも素晴らしい作品が沢山ありました。個人的には音楽メディア・ブログだけではなく、ツイッター上の方々からも沢山良い音楽を教えて頂きました。もの凄く感謝しています、また2011年もよろしくお願いします。

ぶっちゃけ20位くらい書いてるとき辺りから、コメントつけるのやめとけば良かったなーと、ほとんど心折れかけていたので、ほぼ全てやっつけコメントです。自分でも見直しするの面倒くさくて、してないので見る必要ないと思います。以上自己満足ランキングでした、ありがとうございました!




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